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第三章 真意 後篇 9

「お前達の雇い主である村上久は、女流武術家を使って松浦達を拉致した。それに、昨夜も辻村で松浦の部下達を襲っていたな。隠しても無駄だ。少なからず昨夜のことは、我々も現場で実際に目撃している。村上商会と松浦商会の間には、長年に渡る不仲の歴史があるようだな。これまでは部外者がお前達の争いに関わることも無かったと思うが、まさか今回に限って、我々がお前達の前に現れるとは思っても見なかっただろう? 警察が動かないのをいいことに、油断したようだな。だが、もう遅い。お前達が散々積み重ねてきた悪行を我々が警察に報告すれば、村上商会は即座に解体される。村上商会が海運業の利権を独占するために、松浦商会を含めた他の海運業者を襲い、彼らの積み荷を略奪していたことは我々も知っている。お前達が豚箱へ送られるのは、もう時間の問題だ。さあ、知っていることを全部話してもらおうか」


光永がそう言うと、大きな体格の男の1人は左手で光永の胸倉を掴み上げた。


「てめぇ、俺達を脅すつもりか? こんなことして、てめぇらになんの得があるってんだ? さては、松浦商会に頼まれてここへ来たな? ハッ! だとしたら、随分と損な役回りを押し付けられたもんだな」


大きな体格の男の1人は口元に不気味な笑みを浮かべ、冷徹な眼差しを光永に向けながら話を続ける。


「生憎だが、てめぇらに話してやることなんざただの1つもねぇぜ。なんたって、てめぇらは今ここでくたばるんだからなぁああっ!!」


そして、大きな体格の男の1人はそう叫びながら、光永の顔面目掛けて右拳を振り下ろした。


するとその瞬間、光永は左腕で男の右拳を左斜め上に受け流すと同時に、右縦拳を男の顔面に素早く叩き込んだ。


さらに、光永の右縦拳を食らった男が怯むと、すかさず光永は両手で男の右腕を抱え込むように掴み、左回りに体を回転させながら一本背負い投げを繰り出した。


投げ飛ばされた男の体は一瞬宙に浮き、背中から地面に叩きつけられる。


「がはっ……!」


そして、投げ倒された男が顔をしかめると、続けて光永は両手で男の右腕を掴んだまま勢いよく仰向けに倒れ込み、腕ひしぎ十字固めを繰り出した。
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