FC2ブログ
 

第三章 真意 後篇 12

「あいでででででででっ!! や、やめろ! ほ、本当に知らないんだ! 俺達は、あくまでこの船を担当してる用心棒であって、普段から村上の兄貴が何をやってるのかまでは知らねぇんだ!」


「用心棒なら、村上商会と松浦商会の抗争については、余計詳しく知っているはずだ。4日前には松浦達が何者かに襲われ、さらに昨夜は松浦の部下達が15歳の武術家の少女に襲われた。少女と村上の関係については、既に昨夜の時点で証言が取れている。昨夜の出来事は、村上が少女に対して松浦達の部下を襲うよう命じた結果だ。だとすれば、少女は4日前に松浦達が襲われ事件にも関与している可能性が極めて高い。いや、間違い無く関与していると言っても過言ではない。松浦商会の倉庫の2階にある狭いあの部屋で、大勢の人間が突入して松浦達を襲うことは不可能だ。そして、可能な限り少人数で松浦達を襲撃するのに、あの武術家の少女程都合のいい存在はいない。お前達ならば、その真実を知っているだろう。腕をへし折られたくなければ、本当のことを全て話せ」


「そ……そんな話、初耳だ! 村上の兄貴の側には、いつも臨時で雇われた別の用心棒達がついてんだ! 奴等ならともかく、兄貴と普段関わりの無い俺達がそんな話知ってる訳ねぇだろ! け……けど、武術家の小娘の話だけなら聞いたことがある! 村上の兄貴が雇った新しい用心棒の話だろ!?」


「新しい用心棒?」


光永がそう聞き返しながら僅かに力を緩めると、右肘関節の激痛から解放された男はさらに言葉を続ける。


「あ、ああ……! 臨時で雇った奴らしいから、俺達もよく知らないんだけどよ、なんでもうちが出してた雇われ用心棒の募集を聞きつけて、まだ15歳の小娘が村上の兄貴の所に来たらしいんだ。けど、その小娘がとんでもなく強ぇ奴だって噂があってよ……この間も、別の港から沖に出てたうちの船が清国の海賊に襲われた時に、10人以上はいた海賊共をたった1人でぶちのめしちまったらしいんだ。聞いた話じゃ、首里の山川村で武術をやってたとかなんとかで、とにかく腕の立つ小娘だってのは確かみたいだぜ」


すると、男の話に耳を傾けていた世璋と守央は、それぞれ他の男を地面に取り押さえたまま、ハッと目を見開いた。


「首里の山川村……!?」
スポンサーサイト



 

comment form

管理者にだけ表示を許可する

comment

 
プロフィール

ジェド(jed)

Author:ジェド(jed)
ツイッター(@jed_restart)
https://twitter.com/jed_restart

オリジナルグッズ販売中!
https://jed-vin.booth.pm/

最新記事
最新コメント
カテゴリ
PR
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR