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第三章 真意 後篇 14

首里・山川村――


夕方、義明の自宅にある二番座と呼ばれる畳張りの仏間では、義明が仏壇の前で正座し、目を閉じて黙考に耽っていた。


(昨夜、梨奈と共にいたあの男達……彼らはいったい何者なんだろうか……? どうも雰囲気からして、ただの堅気とは思えない。いったい、梨奈はあの男達とどういう関係にある?もしや、梨奈はあの男達に脅されて、何かの悪行に加担させられているのでは……?)


不安に駆られる義明は眉間に皺を寄せ、膝の上に置いた手を強く握り締める。


(私の認識不足だった……! あの子が単にカキダミシをしているだけの方が、状況は遥かにましだったのだ。だが、今の梨奈が置かれている状況は、そんな程度のものでは無い。このままでは、あの子は武術家の道どころか、人の道すら外れてしまう。今の私は、本当にただこうしてじっとしているだけでいいのか……?)


義明はさらに強く拳を握り、その手を小刻みに震わせながら苦悩する。


しかし、やがて彼はカッと目を見開くと、険しい表情を浮かべて、その場から勢いよく立ち上がった。


「いや、駄目だ! 私が弱気になってどうする!? 弟子が道を踏み外したならば、それを正すのも師の務め……私にも何か出来ることがあるはずだ!」


義明は自らにそう強く言い聞かせると、二番座の襖を開けて廊下へと足を踏み入れる。


(待っていてくれ、梨奈! 必ず私がお前を救ってみせる!)


廊下を歩く義明は心の中でそう決意し、鋭い眼差しを露にしていた。
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