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第三章 真意 後篇 15

同時刻、那覇・西村――


夕陽が街を照らし出す中、松浦と3人の男達が幽閉されている2階建ての木造家屋では、畳張りの小さな部屋の中で、梨奈が窓際に座り込んでいた。


梨奈は障子の開いた窓の敷居に両腕を置き、外の街の様子をぼんやりと眺めながら、表現を曇らせている。


「はぁ……」


1人小さくため息を吐いた梨奈は、頭の中で思念を巡らせていた。


(ここにいることは、いずれ父上様や母上様にバレると思ってたけど、まさか長嶺先生の見つかるなんて……何も話せなくてつい逃げてきちゃったけど……)


昨夜砂浜で守優と戦っていた梨奈を見つけ、心配そうな表情を浮かべて彼女の名を呼んだ長嶺の顔が、梨奈の脳裏に過る。


(先生、怒ってるんだろうな……)


記憶を思い起こした梨奈は、ますます表情を曇らせ、再びため息を吐く。


「はぁ……」


すると、突然部屋の襖が開き、口元に不敵な笑みを浮かべた村上が現れた。


「おう、ここにいたか」


村上はそう言いながら、部屋の中へと足を踏み入れる。


「そろそろ仕事だ。また昨日の夜みたいに、松浦商会の奴等をぶちのめしてこい。今回は話し合いも無しだ。どうせ奴等は昨日みたいに、こっちの要求に従わないに決まってる。力ずくでここに連れて来い」


村上がそう話している間も、梨奈は窓の外に目を向けたまま、村上の方を振り向こうとしなかった。


しかし、村上は不気味に笑いながら、構わず言葉を続ける。
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