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第三章 真意 後篇 18

「いいか、くそガキ? よく聞け。労働ってのは契約なんだよ。俺が飯と寝床を保証してやる代わりに、お前は俺の下で働く……それが、俺とお前の間で交わされた契約だ。だが、労働契約にはもう1つ作法があってな、辞める時は前もって雇用主に伝えておくのが礼儀なんだよ。急に『辞めます』なんて言われて即出て行かれたんじゃ、こっちは迷惑千万だ。本当にお前がこの仕事を辞めるつもりなら、明日から仕事の割り振りを調整し直す必要がある訳だが、少なからずそれが終わるまではここにいてもらうぜ?」


「くっ……そ、それはいつ終わるんですか?」


梨奈が顔をしかめながらそう聞くと、村上は口元に嘲るような笑みを浮かべた。


「ハッ! さあな? 生憎、それは俺にもわからねぇな。まあけど、俺としても辞める気のある奴をいつまでも置いときたくねぇからな、なるべく早くしてやるよ。なるべくな」


「け、けど……それじゃあ、私がここを辞められるっていう保証が……」


「ああ!? 何贅沢なことぬかしてやがる!? こっちだって忙しいんだよ! お前のことだけに構ってられると思ってんのか!? 辞めさせてやるっつってんだから、これ以上文句言うんじゃねぇ、この恩知らずが!」


村上が再び怒りを露にしながらそう答えると、梨奈は鋭い眼差しで村上を睨み付けた。


「だったら……ど、どうして私がいつここを辞められるか言えないんですか? 仕事の割り振りをいつまでに調整し終えるか、今私と約束して決めればいいことでしょう? あなた程頭のいい人が、どうしてそれをやらないんですか? それとも、何か私を辞めさせたくない理由でもあるんですか?」


「何ぃ?」
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