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第三章 真意 後篇 19

「き……昨日、他の雇われ用心棒の人達が話してました。『今、村上商会は、松浦商会に襲われた部下達の仇討ちを建前に、 松浦商会を力ずくで吸収しようとしてるけど、実際は縄張りを拡大させることが第一目的で、部下達の仇討ちはこじつけに過ぎない』って……それって本当の話なんですか? 私が4日前に松浦商会の倉庫を襲った時は、松浦商会に襲われた部下達の無念を晴らしたい一心だって、言ってたじゃないですか。本当は、単に松浦商会の縄張りが欲しいだけなんですか? そのために松浦商会の人達を拉致して、無理矢理傘下に引き入れようとしてるんですか? もし、私がここを辞めれば、今までの縄張り争いのことを私が警察にバラすかもしれない。けど、それだと困るから、口封じのために私を辞めさせないつもりなんですか? どうなんですか!? 答えてください!」


「うるせぇ!!」


村上は激しい剣幕でそう怒鳴ると、梨奈の胸倉を掴み上げている左手で、彼女を畳の上に突き倒した。


「お前に俺達の何がわかる!? この沖縄で商売を始めたばかりの先代は、ある日船で沖合いに出たところを襲われたんだ! 船に乗り込んできたのは、あの松浦商会のくそ野郎共だった! 商品を奪われた挙げ句、仲間達にも重傷を負わされた俺達が、どれ程悔しい思いをしたかわかるか!? 俺達はただ、幕府の連中に故郷を追われた過去を忘れて、新しい土地で平和に商売をしたかっただけだったんだ! なのに、奴等はいつもいつも俺達の邪魔ばかりしてきやがる! だから、俺達は松浦商会を潰して、縄張りを広げなきゃいけねぇんだ! 強ぇ奴だけが生き残る、それが海賊の掟なんだよ!!」


村上はそう怒りを爆発させると、左の懐からルフォーショー・ポケット・リボルバーという回転式拳銃を右手で取り出し、その撃鉄を右親指で起こしながら、梨奈に向かって片手で構えた。


「ここを去るからには、沈黙は守ってもらわねぇと困る。それを今ここで誓えるなら、さっきも言った通りなるべく早く辞めさせてやってもいい。だが、俺達のことをサツにチクるってんなら話は別だ。俺は頭領として、村上商会を守らなきゃならねぇ。いいか、俺達のことは誰にも喋るな。サツは当然だが、親しい人間や家族にもだ。もし誓えないなら、今この場でお前を始末してやる」
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