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第三章 真意 後篇 20

村上がそう言うと、梨奈は顔をしかめながらゆっくりと上体を起こし、村上を睨み付けた。


「くっ……理由はどうあれ、松浦商会を乗っ取るつもりであることに変わりは無いって訳ね。当初は本当に仲間の仇討ちが目的だったのかもしれないけど、いずれにしろやり過ぎよ。やっぱり私、あなたの言うことには従えない」


梨奈がその場にしゃがみ込んだままそう答えると、村上は口元に不気味な笑みを浮かべた。


「ほう、そうか……なら、もう話は終わりだ。お前のような腕のいい用心棒を失うのは非常に残念だが、もうこうなった以上は致し方無い……大人しくここで死ね!」


村上はルフォーショー・ポケット・リボルバーの引き金に右人差し指を掛け、引き金を引こうとする。


しかしその瞬間、梨奈は素早く立ち上がりながら、右腕で村上の右手を右斜め上に弾き飛ばし、銃口を天井へと逸らした。


ルフォーショー・ポケット・リボルバーの銃口が天井を向くと、その直後に銃声と共に1発の弾丸が銃口から発射され、村上はハッと目を見開いた。


(なっ……!?)


そして、梨奈は右手で村上の右手首を掴むと、すかさず彼の顔面に左正拳上段逆突きと右上段廻し蹴りを連続で食らわせた。


彼女の突きと蹴りを食らった村上は、為す術も無く畳の上に倒れ込み、呻き声を挙げる。


「くっ……うぅっ……」


その隙に、梨奈は急いで部屋から廊下に出ると、1階へと続く階段を駆け降りていった。


1階の部屋は窓から射し込む月明かりによって薄暗く、梨奈以外に誰の姿も見られない。


梨奈は階段下で素早く草鞋を履くと、部屋の出入り口に設けられた引き戸を開けて、外へと飛び出した。
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