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第一章 初戦 8

「世璋先生! お勤め、ご苦労様でございます!」


「ああ、2人も修業頑張ってるみたいだな」


世璋がそう答えると、少女は腰に両手を当て、やや不満げな表情を浮かべ、男の方に目を向けた。


「けど、あたしはそろそろ父上様にも稽古つけてもらいたいです。相手が英典(えいてん)ばかりでは腕が上がりません」


「も…申し訳ありません、由佳殿。自分も精進致します」


「後で父上様に私と一緒に稽古つけてもらいなさい。あと、私のことは師匠と呼ぶこと」


「し…失礼いたしました、由佳師匠……」


英典と呼ばれた恰幅の良い男は苦笑いしながら、由佳と呼ばれた少女に頭を下げた。


その様子に目を向けながら、守央と世璋は再び話し始める。


「なんだ、弟子を取ったのか?」


「まあ、俺の弟子っていうより、どっちかっていえば由佳の弟子になっちまってるけどな。見ての通りだ」


世璋がそう答えると、英典は守央の方を振り向いて会釈した。


「あっ、挨拶が遅れて申し訳ございません。わたくし、許田(きょだ)英典と申します。湧田村から参りました。守央様のことは常々、世璋先生から聞いております。どうぞ、よろしくお願いいたします」


「許田? もしかして、筑登之親雲上の許田英幸(えいこう)殿のご子息か?」


「ええ。英幸は私の父ですが、なぜご存知で?」


「俺も、昔から英幸殿にはお世話になってたんだ。許田家の畑で採れた野菜を分けてもらったりもしてな。特に、俺と世璋がここに引っ越してきたばかりの頃は、色々とよくしてもらったよ。最近は、お互い忙しくなったせいであまり顔を見せられなくなったが、その内俺もまた顔出しに行くから、よろしく伝えておいてくれ」
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