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第一章 初戦 4

守央と世璋は、咄嗟に茶屋の出入り口の方を振り向く。


「なんだ?」


「どうせくだらねぇ喧嘩だろ? 行ってみようぜ」


「ああ」


守央と世璋は茶屋の出入り口の引き戸を開けた。


茶屋の出入り口に面した外の通りでは、2人の青年が髭面の男と対峙しており、道行く人々は物珍しそうにその様子を見ていた。


青年の1人はやや背が低く、短い黒髪と大きく鋭い眼差しが印象的で、赤い上衣と同色の帯、白い長ズボン状の琉球袴を身に着けていた。


一方、もう1人の青年は赤い上衣を着た青年よりやや背が高く、短い黒髪と大きく穏やかそうな眼差しが印象的で、青い上衣と同色の帯、白い長ズボン状の琉球袴を身に着けている。


そして、髭面の男は縦縞模様が入った生成色の着物と同色の帯を身に着けており、2人の青年よりもがっちりとした体格と短い黒髪が印象的だった。


どうやら様子を見たところ、先程口論をしていたのは未だに互いを睨み続けている赤い上衣を着た青年と男の方で、青い上衣を着た青年が、もう1人の青年よりやや後ろに立ち、睨み合う2人の様子を心配そうな様子で見ていた。


そんな2人の青年の姿を見て、守央は目を丸くする。


「守優(しゅう)! 守善(しゅぜん)!」


守央がそう呼ぶと、2人の青年は驚いた様子で咄嗟に守央の方を振り向いた。


『父上!』


守央と世璋は、2人の青年の所にやって来た。


「何かあったのか?」


「喧嘩か?」


守央と世璋がそう聞くと、守優と呼ばれた赤い上衣を着た背の低い青年は、目の前の男を指差した。


「あいつが兄上にわざとぶつかったんです。そしたら、あいつが持ってた壺を落として割って……」


すると、守優の主張に対して、髭面の男は激しい剣幕で反論する。


「わざとじゃねぇ! 大体、ぶつかってきたのはそっちだろうが!」


その間、世璋は男の足下に置かれている陶製の壺に目を向けていた。
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