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第一章 初戦 29

彼女達からやや離れた位置に立つ世璋は、そんな由佳と知子の戦いに目を向けながら思案を巡らせていた。


(守央の話によれば、あの知子とかいう女流武術家は清栄の妹で、蹴りを得意とする那覇手の使い手……幼い頃から兄の清栄と共に、父の高良(たから)筑登之親雲上から那覇手を学んでいたが、今は幸允の師匠でもある首里手の儀間(ぎま)筑登之親雲上に、兄妹揃って師事してるって訳か……なるほど、それでああして遠間から素早く間合いを詰めながら、派手な蹴り技が出来るのか。さっき守善が相手にしてた幸允が、純粋な首里手の使い手であるのに対して、知子は首里手と那覇手両方の技を使い分けながら戦うことが出来る。なかなか面白い戦い方だな。だが、戦術の面白さでいえば、由佳だって負けてねぇはずだ。俺が今まで物好きな師匠から学んできたティーは、那覇手にシャム拳法と北派少林拳の技を組み合わせた、俺の師匠独自のティーだ。その技は俺からティーを習った由佳にも受け継がれてる。さあ、お前が本気を出す時が来たぞ、由佳! 今この瞬間こそ、英典相手じゃ手加減が必要で試せなかった技が出来る絶好の機会だ! 思い切り暴れてやれ!)


世璋が頭の中でそう考えている間も、知子は左右の上段廻し蹴り、中段三日月蹴り、上段後ろ廻し蹴りなどを矢継ぎ早に繰り出していた。


対する由佳も、左右の腕で知子の攻撃を受け流し、あるいはかわしながら、徐々に後ろへ下がっている。


さらに、知子は左足を1歩前に踏み込みながら、由佳の腹目掛けて右中段前蹴りを放った。


「はあぁああっ!!」
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