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第一章 初戦 33

知子はしばらく呆気にとられたまま由佳を見上げていたが、やがて潔く諦めたような表情を浮かべると同時に、自らの敗北を認めた。


「ま……参り……ました……」


両者の間で勝負が決すると、彼女達からやや離れた位置に立っていた守央は、カキダミシの終了を知らせると共に、激しい戦いを繰り広げた知子と由佳を労った。


「それまで! 2人共、よくやった! いいカキダミシだったぞ!」


こうして由佳が知子に勝利すると、守優と守善は口元に不敵な笑みを浮かべた。


「よっしゃあ! 兄上に続いて由佳も勝ったぜ!」


「世璋さんや英典さんと稽古する中で、由佳も腕を上げてきたみたいだね。昔よりも格段に強くなってるよ。次はいよいよ守優の番だね。守優が父上や僕以外の人と組手をするところはなかなか見られないだろうから、楽しみにしてるよ?」


「任しといてください、兄上! 日頃の鍛練の成果、たっぷりお見せします!」


一方、幸允と清栄は感心した様子で口元に小さく笑みを浮かべていた。


「ん~、惜しかったな~……知子にも勝機はあったと思うんだが、あの由佳って小娘も大したもんだな」


「ああ。今まで俺達も見たことが無いような技を、相当多く身に付けてるようだな。難しい対処を迫られる中でも、知子はよく戦ってた」


清栄は口元に不敵な笑みを浮かべながら話を続ける。


「次は俺の番だ。ここはせめて俺1人ぐらいは勝っておかねぇと、格好がつかねぇよなぁ?」


そう言うと、清栄は胸の前で右拳を勢いよく左掌に当て、自信満々でやる気に満ちた様子を露にした。
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