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第一章 初戦 36

ほんの一瞬の隙を突かれた守優は、清栄の左拳を顔面に食らうと、その凄まじい衝撃で後方へ吹き飛ばされてしまい、背中から後転するように地面を転がった。


転がる勢いを利用しながら素早く立ち上がると、守優は鼻に出来た打撲傷のような薄いアザに右手で少し触れ、顔をしかめる。


「くそっ……!」


そう毒づいた守優は、すぐに左足を前に踏み出して夫婦手に構え、次の清栄の動きに備えた。


一方、守優との間合いが離れた清栄は、口元に不敵な笑みを浮かべながら立っていた。


「ほう……俺の刻み突きを食らう瞬間、自分から後ろへ飛んで威力を逃がしたのか。咄嗟の判断としちゃあ上出来だな」


清栄はそう言うと左足を1歩前に踏み出し、守優と同じく夫婦手に構えながら言葉を続ける。


「だが、次は無いぜ。俺の刻み突きの速さは琉球一だ。加えて、刻み突きはそもそも動き出しがわかりにくい技でもある。まぐれで1回避けられたぐらいで、浮かれてもらっちゃあ困る。次は確実に当てるぜ」


「へぇ~、やるじゃねぇか」


守優は額に冷や汗を滲ませながらも、口元に不敵な笑みを浮かべてそう答えた。


そんな2人の様子に目を向けながら、守善と由佳は不安そうな表情を浮かべている。


「清栄さんの刻み突きは、確かに早いな。打撃技が得意な守優でも、あれは一筋縄じゃいかないかもしれない」


「あ~もぉ~、だから油断しないでって言ったのに~……」


一方、知子と幸允は清栄の動きを見て口元に不敵な笑みを浮かべていた。


「さすが、清栄兄さん。あの刻み突きを避けれる武術家なんて、この琉球にそうそういるはずないわ」
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