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第二章 真意 前篇 3

さらに、髭面の男の左隣でも、亀甲文様の入った海松色の着物と同色の帯を身に着けた坊主頭の男が、真向かいに座る中年の男に向かって不敵な笑みを見せていた。


「松浦の兄貴、このまま村上商会を潰してやりましょう。奴等がいなくなれば、俺達松浦商会が那覇の海上貿易を独占する日も近づくってもんだ」


「クックックッ……そうだな、確かにそれは名案だ」


松浦と呼ばれた中年の男は、彼らの中心に置かれているカラカラという陶製酒器を手に取ると、そこから泡盛を猪口に注ぎ、不敵な笑みを浮かべたまま再び泡盛を飲み始める。


「俺の一族が薩摩からこっちに移り住み始めてから、今年で40年……親父の代からこの一帯をずっと縄張りにしてやってきたが、今日までいまいち成果らしい成果も挙がらなかった。これを機に村上商会の縄張りを手に入れりゃあ、俺達の名も上がって――」


すると、松浦がそう言い欠けた瞬間、突然部屋の襖が勢いよく開くと同時に、赤紫色の上衣と同色の帯、灰色の長ズボン状の琉球袴を身に着けた少女が姿を現した。


少女は額にかかる長さの前髪を残しながら、うなじに掛かる程度の長さに黒髪を切り揃えており、瞳孔の開いた瞳を松浦達に向けながら無表情で立っていた。


松浦と3人の男達は突然の侵入者にやや驚きながらも、その不気味な出で立ちの少女を鋭い眼差しで睨み付け、敵意を露にする。
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