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第二章 真意 前篇 10

「それも大きな問題だ。保安課の和田課長からの話によれば、肝心の警察も今回の件に関しての捜査はかなり消極的になっているらしい。我々に依頼が来る前に、警察の方でも松浦商会から詳しい話を聞いたそうだが、実際に村上商会が松浦義忠と3人の幹部を拉致したという証拠はどこにも無い。松浦達が最後に目撃されたと言われている、西村の松浦商会専用倉庫の2階を私も依頼主に見せてもらったが、部屋の中は器物が破損した痕跡ばかりか畳の汚れすら見られない綺麗な現場だった。実際、警察の方も今回の件に関しては、単なる行方不明事件としてなるべく表沙汰にならない形で処理するつもりらしい」


男がそう答えると、世璋は再び口を開いた。


「てことは、この大和の海賊同士が起こした下らねぇ争いを、公にならない内になるべく早く丸~く収められるのは、俺達しかいないって訳か……んじゃ、さっさと松浦達を見つけて、ついでに村上商会にも鎌掛けておかないとな。それで、光永の旦那。俺達は何から始めればいいんだ?」


「いや、とりあえずこの件については、私1人で受け持つことにする。松浦義忠と3人の幹部達の行方については、最後の目撃情報以外に手掛かりが無い上、村上商会と事件の関係性についても、それを証明するための判断材料は現時点で存在しない。恐らく、村上商会の人間に直接この件に関する話を聞きに行ったところで、奴等は本当のことを喋らないだろう。当分は私が村上商会の動向を監視する以外、調査らしい調査のしようも無いといったところだ」
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