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第二章 真意 前篇 11

光永と呼ばれた男はそう言いながら机の引き出しを開けると、そこから開封済みの白い長形封筒を1枚取り出しながら話を続ける。


「それよりも、君達2人には別の依頼を担当してもらいたい。今朝、郵便でうちに届いたこの手紙に依頼内容が書かれているが、まずは君達2人で依頼主から詳しい話を聞いてきてくれ」


光永はそう言って、封筒を世璋に手渡した。


世璋と守央は、封筒に書かれた差出人の住所に目を向けた。


「え~っと、何々……?住所は首里の山川村(やまかわむら)か。ここから歩いて50分ってところだな」


「世璋、中の手紙も見せてくれ。肝心の依頼内容も見ておかないと……」


「あいよ」


世璋は封筒を開けると、中から幾重にも折り畳まれた手紙を取り出し、折り目に沿って横長に開いた。


縦書きの漢字仮名交じり文が、紙面の端から端まで記載されているその手紙を見ながら、世璋と守央は話を続ける。


「ほぉ~、人探しの依頼か。こいつはまた、骨の折れる地道な調査になりそうだぜ」


「この依頼主、弟子を取ってティーを教えることを生業にしてるのか……光永さん、私と世璋にこの依頼を任せたいというのは、もしかしてこれが理由で……?」


「それもある。君達2人も、そのティーと呼ばれる琉球の武術に精通していると聞いたのでな。同じ武術家同士なら、依頼主からも信用してもらいやすいだろう。それに首里周辺の地理は、薩摩出身の本土人である私より、生まれも育ちも沖縄である君達の方が詳しいだろう」


光永は手にしていた書類を机の上に置き、言葉を続ける。


「まあ、もし何かあればいつも通り私も手伝う。困ったことがあれば、すぐに私に言ってくれ。じゃあ、ひとまず後は頼んだぞ?」


光永はそう言いながら机の引き出しを開けると、1枚の和罫紙を取り出して机の上に置き、手にした羽根ペンの先をインク壺に浸けて和罫紙に走らせ始めた。
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