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第二章 真意 前篇 12

首里・山川村西部――


かつての琉球王国の都・首里の中でも西に位置するこの村は、松川村と隣接している西側の台地に田畑が広がっている一方で、村の区画内のほとんどが民家や商店の立ち並ぶ市街地と化していた。


そんな村の住宅街の一角にある1軒の民家では、母屋の中にある一番座と呼ばれる畳張りの客間に通された守央と世璋が、1人の中年男性と向かい合って正座していた。


中年男性は黒髪を短く整えており、山吹色の上衣と同色の帯、灰色の長ズボン状の琉球袴を身に着けていた。


彼らの目の前には、それぞれさんぴん茶が注がれた白い湯呑茶碗が置かれている。


中年の男は守央と世璋に対し、軽く会釈しながら口を開いた。


「本日はわざわざお越しいただき、誠にありがとうございます。改めまして、私はこの度依頼をさせていただきました、筑登之親雲上の長嶺義明(ながみね ぎめい)と申します」


義明と名乗る男が丁寧にそう挨拶すると、守央も自ら氏名を名乗った。


「私は光永探偵事務所の新垣(あらかき)守央、こちらは同じく平良(たいら)世璋です。本日は、所長の光永が別件対応中のため、代わりに私達がお話を伺います。早速ですが、人探しのご依頼について詳しいお話を……」
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