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第二章 真意 前篇 13

「探していただきたいのは、同じ山川村に住む、島袋梨奈(しまぶくろ りな)という15歳の少女です。数年前、私は梨奈のご両親から、彼女にティーの指導をするよう依頼され、相応の謝礼金をいただく代わりに、私の家で梨奈にティーを教え始めました。彼女はとても才能のある子で、私が指導し始めるとすぐに型を覚えて、その後もめきめきと腕を上げていきました。我が弟子ながら、大したものだと思います。ですが数日前、梨奈がティーの稽古に突然来なくなってしまいましたので、心配になった私は彼女のご両親のもとへ相談に参ったのです。何せこの数年間、稽古の日となると欠かさず私の家を訪れては、熱心にティーの修業に励んでいた梨奈が急に来なくなってしまったものですから……しかし、ご両親から伺った話によると、どうやら梨奈は前日の夜の間に突然家から姿を消してしまったらしく、ご両親もその日の朝から行方がわからないと心配なさっていたのです。警察にも相談しましたが、事件性が無いという理由でろくな捜索もしてもらえず、単なる年頃の少女の家出として扱われている次第です。ですが、私は梨奈の師として、やはり彼女のことが心配でなりません」


義明は悲痛な表情を浮かべながらそう話すと、突然目の前に置かれていた白い湯呑茶碗を左脇へ移動させ、畳に両手をついて深々と頭を下げた。


「お願いいたします! どうか、梨奈を見つけてください! 新垣殿、平良殿! お2人だけが頼りです! どうか、お願いいたします!」


『なっ……!』


義明の土下座姿を目にした守央と世璋は、驚くあまり一瞬言葉を失ってしまった。


しかし、守央と世璋はすぐに恐縮したように小さく苦笑いを浮かべ、言葉を続ける。
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