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第一章 初戦 20

まず、最初にカキダミシをすることとなったのは、守善と幸允である。


他の者達が少し離れて見守る中、守善と幸允は提灯の淡い暖色の光に照らされた砂浜の中心で、互いに向かい合うように立っていた。


幸允は、今ここにいる誰よりも飛び抜けて背が高く、一際大きな体格の持ち主である。


しかし、彼と対峙する守善は、相対的に見て体格で劣っているにも関わらず、いつもの冷静な表情を崩してはいない。


幸允は口元に不敵な笑みを浮かべ、両手の指の関節をパキポキと鳴らしながら口を開いた。


「さて、じゃあまずは俺達の勝負からやるとするか。カキダミシの作法はもう知ってるな?」


「相手に重症を負わせない限り、どんな技を使うのも自由。立会人が試合を止めた時点で勝負が着く……ですよね?」


「よし、それだけわかってりゃ十分だな。俺もお前に怪我させないようになるべく気をつけはするが、カキダミシってのはやってるとついついアツくなっちまう。だから、なるべく自分の面倒は自分で見てくれよ?」


「心得ました。では、胸をお借りします」


守善が口元に小さく笑みを浮かべてそう答えると、世璋は試合を裁定する立会人として、守善と幸允の横に立った。


「よし。2人共、準備は良さそうだな?早速始めるぜ?じゃあ、お互いに構えて」


世璋がそう合図すると、守善と幸允はそれぞれ右足を1歩前に踏み出し、肩の高さに構えた互いの右腕を合わせる。


それを確認すると、世璋は後ろに1歩下がり、試合開始の号令を掛けた。


「始め!」


そして世璋の号令と共に、いよいよ守善と幸允の間でカキダミシが始まった。
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