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第二章 真意 前篇 21

「まあ、確かに普通の街中や田舎だったら、女1人が四六時中彷徨ってるのはちょっと変かもしれねぇけど、要するに今回の捜索対象者は、誰かと組手がやりたくて家を飛び出したんだろ? 単に自分の腕を試したいんだったら、もっと手っ取り早い方法があるぜ?」


「もっと手っ取り早い方法……」


守央はそう呟きながらしばらく考え込むと、やがて何かに気づいたように目をハッと見開いた。


「まさか……!」


「そう、カキダミシだ。辻に行けば、相手をしてくれる武術家はたくさんいる。自由に技を掛け合いながら組手出来るなんて、これ程いい機会は無い。加えて、辻は遊廓だ。女が1人で夜中まで歩いてたって、ジュリかなんかだと思われて誰の気にも留められない。宿はまあ、あれだけいろいろ店があるんだし、住み込みで働くって言えば寝床ぐらい用意してくれんだろ」


「じゃあ、捜索対象者は今夜も……」


「ああ、辻でカキダミシをする可能性が高いな。早速、後で行ってみようぜ」


「けど、俺達2人だけで探すのか? あの広い街中を?」


「確かに、それは時間がかかりそうだな。誰か手伝ってくれる奴を見つけねぇと……」


「とりあえず、光永さんには話をしておこう。それから、長嶺さんにも協力してもらう方が良さそうだな。長嶺さんも武術家だから、辻でカキダミシが盛んなことは知ってるはずだ」


「それに、長嶺の旦那なら捜索対象者の顔がわかるし、だいたい本人は可愛い弟子が心配で、いても立ってもいられねぇだろうしな。それから、あと他に手伝ってくれそうな奴は――」
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