FC2ブログ
 

第二章 真意 前篇 22

世璋と守央がそう話しながら丁字路に差し掛かると、突然左折した先の道の遠くから、彼らを呼ぶ守善の声が聞こえてきた。


「父上~! 世璋さ~ん!」


守央と世璋が歩みを止めて左を振り向くと、道の遠くから守善と守優、由佳の3人がこちらに向かって歩いて来た。


守善達は、荷物を包んだ様々な色の大風呂敷を右肩から斜めに結んで背負っており、守善が絣模様の入った生成色、守優が縦縞模様の入った藍色、由佳が牡丹の花模様の入った白い大風呂敷をそれぞれ使用している。


彼らがこちらにやって来ると、守央は守善と話をし始めた。


「おう、守善。3人共、私塾からの帰りか?」


「はい。今日は、寛惇(かんじゅん)先生が夕方からご予定があるそうで、いつもより少し早く授業が終わりました」


「そうか、寛惇先生も相変わらず忙しいんだな」


「父上と世璋さんは、仕事ですか?」


「ああ。俺達はまだこの後も仕事が残ってて、夜遅くまでかかりそうなんだ。悪いんだが、帰ったら百合に伝えておいてくれ」


「わかりました」


守善がそう答えると、今度は世璋が守善と話し始めた。


「お前らは、この後何か用事あるのか?」


「いえ、特には無いですけど……」


「だったらよ、お前らにちょっと頼みたいことがあるんだ。実は、15歳の女流武術家が今夜辻でカキダミシをするらしくてな、俺達も仕事の関係でそいつを探さないといけねぇんだ。お前らも暇なら手伝ってくれよ。その代わりに、もしその女流武術家を見つけたら、そいつにカキダミシ吹っ掛けてもいいぜ」


世璋がそう言うと、守央は額に冷や汗を浮かべ、慌てて口を挟んだ。
スポンサーサイト



 

comment form

管理者にだけ表示を許可する

comment

 
プロフィール

ジェド(jed)

Author:ジェド(jed)
ツイッター(@jed_restart)
https://twitter.com/jed_restart

オリジナルグッズ販売中!
https://jed-vin.booth.pm/

最新記事
最新コメント
カテゴリ
PR
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR