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第二章 真意 前篇 26

西村――


夕方、松浦と3人の男達が幽閉されている町屋には、もう1つ小さな畳張りの部屋があった。


家具の1つも置かれていない殺風景なその部屋では、数日前の夜に松浦達を襲った少女が、1人正座して黙想に耽っていた。


すると、突然部屋の襖が開き、村上が現れた。


「おい、次の仕事だ」


村上がぶっきらぼうにそう言うと、少女は目を開けて瞳孔の開いた瞳を露にし、無表情で正座したまま村上の方を振り向いた。


その間も、村上は特に少女の様子を気にすること無く、言葉を続ける。


「これから俺達は辻へ出て、松浦商会の連中を探し出す。もし、奴等が俺達の要求に従わない場合は、この前の松浦達と同じように奴等もここへ連れて来る。またお前の力で存分に奴等を叩きのめしてやれ。もう俺の部下達は外で待ってる。お前もすぐに来い」


村上はそう言い残すと、早々に部屋の襖を閉め、少女の前から姿を消してしまった。


少女は立ち上がって大きく伸びをすると、その場で素早く左右の正拳突きや上段廻し蹴りを放ち始めた。


放たれる突きや蹴りは鋭く空を切り、そのしなやかながらも力強い動きから、数日前に松浦達4人をたった1人で打ちのめした彼女の実力が伺い知れる。


そして体を慣らし終えると、少女は無表情のまま部屋から立ち去っていった。
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