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第二章 真意 前篇 27

辻村――


夜、街の中心部は軒を連ねる様々な商店が営業する中で、多くの人々が通りを行き交い、賑わいを見せていた。


世璋、守央、義明、ダークグレーの中折れ帽を被った光永の4人は、そんな人通りの多い道を歩きながら辺りを見回していた。


しかし、多くの人々とすれ違っているにも関わらず、15歳の女流武術家と思しき者は一向に見つからない。


「う~ん、いねぇな~……この時間帯ならカキダミシする奴も多そうだし、捜索対象者が出てくると思うんだけどな~」


「今のところ、武術家っぽい男とは何人かすれ違ったが、この辺に女流武術家はいそうに無いな」


「それにしても、まさか梨奈がカキダミシをしているなんて……やはり、彼女は私の指導に嫌気が差して、こんな所に……」


「ま……まあまあ、長嶺殿。そう悪くお考えになる必要はありませんよ。まだ、お弟子さんがこの遊廓にいると決まった訳では無いですから……とにかく今日のところは、ここをお弟子さんが一度でも通りかかったことがあるのかどうかの確認ということに致しましょう。辻村には、いろんな所から人が来ておりますから、誰かが別の場所で梨奈さんを見かけている可能性もあります。そういった手掛かりとなり得る情報も、ここなら集めやすいでしょう。今日ここで得た情報が今後の調査の進展に繋がると、私は信じていますよ」


「そ、そうですよね……私も、そうなるよう願っております……」


義明は表情を曇らせたまま、不安そうに視線を下げてそう答えた。
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