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第二章 真意 前篇 28

一方、街の中心部にある別の通りでも、守優と守善、由佳の3人が、人混みの中を歩きながら辺りを見回していた。


「はぁ~、全然見つからねぇな~……どこにいるんだよ、その15歳の女流武術家って奴はよぉ~?」


「これだけ人が多いと、探すのも一苦労だね。父上と世璋さんが、僕達に手伝いを頼んできたのも頷けるよ」


「こんだけ探しても見つからないんだから、今日はその女流武術家も辻に来てないんじゃない?」


由佳がそう言うと、彼女と守善の前を歩いていた守優は道の途中で立ち止まり、同じく立ち止まった守善と由佳の方を振り返った。


「兄上、今何時ですか?」


「ん~っと……」


守善は懐から懐中時計を取り出し、竜頭を押して上蓋を開いた。


「6時55分」


懐中時計の文字盤を見ながら守善がそう答えると、由佳も守善の右隣から懐中時計の文字盤を覗き込んだ。


「えっ、もうそんな時間!? まだ見つかってないのにぃ~……」


由佳が困惑した様子でそう言うと、守優は再び守善と話し始めた。


「どうしますか、兄上? 俺も出来ればもう少し探したいんですが、父上や世璋さんとの約束もありますし……」


「一応、7時に西武門で合流って言われてるからね」


守善は文字盤の上蓋を閉めると、懐中時計を懐に仕舞いながら言葉を続ける。


「僕も本当はもう少し探したいけど、今日はこの辺にしておこう。由佳の言う通り、僕達が探してる女流武術家も今日は来てないのかもしれないしね」
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