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第二章 真意 前篇 39

守優は顔をしかめながらも、口元に不敵な笑みを浮かべている。


「ヘヘッ、今のは結構びっくりしたぜ。お前、投げ技も使えるんだな」


そう言いながら、守優は再び左足を1歩前に踏み出し、夫婦手に構えた。


対する少女も両腕を下げたまま、左足を1歩前に踏み出して構えた。


瞳孔の開いた不気味な眼差しで守優を見据えながら、少女は草鞋を履いた足で砂浜を踏み締める。


しばらく守優と少女が互いの出方を伺っていると、少女は再び左足を1歩前に踏み込もうとした。


するとその瞬間、砂浜と隣接する草地の斜面の方から、義明の声が聞こえてきた。


「梨奈!」


義明の声を聞いて咄嗟に動きを止めた少女は、ハッとした表情を浮かべると同時に、散大していた瞳を収縮させながら、義明の声がした方を振り向いた。


見ると、草地の斜面から駆け下りて来た守善、由佳、守央、世璋、光永の5人と共に、そこには確かに義明の姿があった。


守優と少女が戦いを中断し、こちらにやって来た守善達の方に目を向けていると、義明は心配そうな表情を浮かべながら再び口を開いた。


「梨奈……!」


梨奈と呼ばれた少女は義明と顔を合わせると、ハッとした表情を浮かべたまま、少女らしい可憐な声で声帯を震わせた。


「せ……先生……」
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