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第三章 真意 後篇 2

翌朝、泉崎村――


青空の下、守央達の家の母屋では、百合と守善、守優の3人が、雨戸の開いた縁側に集まっていた。


縁側に座る守善と守優は、それぞれ沓脱ぎ石の上で草鞋を履こうとしており、鼻緒に付いた手より紐を足に縛り付けていた。


一方、廊下に立つ百合は穏やかな笑顔を浮かべ、そんな守善と守優の様子に目を向けている。


「2人共、忘れ物は無い?」


「はい、大丈夫です」


「俺も大丈夫です!」


守優と守善はそう答えながら草鞋を履き終えると、それぞれの側に置かれた荷物入り大風呂敷を手にした。


そして、守善と守優は昨日の昼間と同じように、大風呂敷をそれぞれ背中に縛り付けると、縁側から立ち上がって百合の方を振り返った。


「じゃあ、行ってきます」


「行ってきま~す!」


「は~い、行ってらっしゃ~い」


そう返事をした百合が穏やかな笑顔と共に見送る中、守優と守善は踵を返して歩き出した。


家の門をくぐった守善と守優は、右に曲がった先の道を歩き始める。


「父上と世璋さん、また今夜も辻へ行くのかな? あの女の子を探さないと、依頼が解決しないみたいだし……」


「それなら、俺達もまた探しに行きませんか? あの梨奈って奴、なかなかいい腕してますよ。早く見つけ出して、今度こそ決着をつけねぇと……」


「けど、いいのかな? 僕達がカキダミシをするためだけに、父上と世璋さんの仕事に2回も関わるなんて……」


「大丈夫ですよ~、人手が必要だって父上も言ってたじゃないですか」


「そ、それはそうだけど……」


すると、守善がそう答えた瞬間、彼らの遠く後方から由佳の声が聞こえてきた。


「守善様~! 守優~!」


名を呼ばれた守善と守優が、立ち止まって背後を振り返ると、道の遠くから由佳が駆け寄ってきた。


由佳も昨日の昼間と同じく、荷物が入った大きな風呂敷を背中に縛り付けており、守善と守優に追い付いて立ち止まった。


「守善様、おはようございます!」
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